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勇気を与えられる一冊
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草 刈 樵 峰
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一番初めに中程のページを何気なくめくってみたところ、そこには汚くて美しい文字が座っていました。 暴れています。狂っています。溢れています。そんな心の奥底に響く痛烈な印象・・・。 挑戦し、集中し、己を高め、そして放つ・・・そんな荒々しい息遣いまで伝わってくるようです。 一転・・かな書作家として活躍されていたときの作品には、線の深みと穏やかな表情があり、心に染み入ってくるような感覚を覚えました。 このような作品を生み出すに至るまでの駒井先生が、どこまでも書を真摯に探求し、決して土俵を踏み外すことなく歩んでこられたであろうことは、過去の臨書作品に見て取れます。 本当に素晴らしい・・。30歳の頃に書かれたという楷書作品。お手本として揮毫されたその書。私も一から勉強しなおそうと反省させられました・・・。 この遺墨集の編者は、駒井先生の高弟渡部大語先生であり、作品解説もされておりますが、その解説には大変重要な意味があって、私のような面識も何も無いものでも駒井先生の裏側を多少なりとも理解して作品を鑑賞できるのです。 そしてその大語先生の書には師の書を溺愛し否定し、そして個性を醸し出しておられる・・・そんな気がしました。 作品には作為があっていいものと悪いものがあります。誰でも作為はあると思いますし楷書作品は作為なくして書くことはできません。一点一画・・起筆から終筆まで、ある意味作為のかたまりでもあるのです。 しかし線を創るうえでは楷書であっても勢いやリズムを必要とするので、養ってきた技量と感、筆さばきが自然と出なくてはなりません。これの両立は至難の技ですが、その両方が表現できることが書作家として必要なことだと再認識させられました。 そして何よりも書く勇気を与えられたことが大きな収穫でした。 私がでしゃばって言うことでもありませんが、少しでも書作の参考にしたい、駒井鵞静という書作家のことを知りたいと思われる方は、お手元に置かれることをお薦めいたします。 |
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くさかり しょうほう・書家
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